第25回夏期広告セミナー

第25回OAAA夏期セミナー(2022年8月23日開催@Zoomウェビナー)

「メタバースが拓く未来世界とビジネス」

講師:亀谷 拓史氏 (クラスター株式会社ビジネスプランニング部プランナー)

 

150兆円の巨大メタバース市場

メタバースとは、一言で言うとコンピューターが作り出す世界の中で生活するということ。デジタル空間の中で、自分の代替であるアバターとしてゲームをしたり交流したり、またリアルと同じ身体性を伴う体験ができるのが新しい価値となっている。2021年はメタバース元年と言われ、フェイスブックが社名をMetaに改め、メタという言葉が一気にトレンドになった。

ここ数年はインターネットの普及に加え、コロナ禍がメタバースを後押ししている。買い物やレジャーなどがデジタル上で完結できるようになり、メタバースを迎え入れる状況も整った。2030年までには150兆円規模の巨大市場へと成長するとされ、一般の人々の生活が変わるのはもちろんのこと、企業もメタバースに取り組んでいく必要がある。

 

メタバース空間でできること

2015年に創業した弊社は「ヴァーチャル経済圏のインフラを作る」というビジョンの下、メタバースプラットフォームclusterの企画開発や運営を行なっている。メタバースというとVRゴーグルやハイスペックなパソコンが必要と思われがちだが、cluster はあらゆるデバイスからアクセスできるというのが大きな特徴だ。アプリをダウンロードするだけで、誰もがスマホやパソコン上でメタバース空間を作れるという機能を持つ。音楽イベントに参加したりメタバース空間を散策したり、みんなでゲームに参戦したり、こうした空間やイベントの一つひとつをユーザー自身が作っていける。コミュニティも既にかなりの数出来上がっており、1日6〜7時間メタバース空間で過ごす人が数千人規模で増加。気軽に参加できるので、法人サービスにおいても参加ハードルが低い仕様や体験を作っていける。

クリエイターも数多く抱えており、自主企画のイベントには1000人を超えるクリエイターの参加がある。ゲームクリエイターのイベント規模としても日本最大。現在1万個以上の公開ワールドゲームがプラットフォーム上に生まれている。

私の所属するエンタープライズ事業では法人様向けのサービス開発やイベントの制作・運営などを行なっている。昨年実績ではプラットフォーム数で1800以上のイベント、1000万人以上の動員があった。clusterでできることは主に次のようなことである。

 

  • いかなるデバイスからもアクセスが可能:参加できる人が多く、参加できるハードルが低い。
  • 演出・制作の自由度が無限:メタバース上の空間はすべてCGで作られるので、リアルでは難しいことも実現できる。例えば花火を打ち上げる、商品を物理的な制限なしに見せるといったことも可能だ。
  • デジタルアセット化し、継続利用が可能:法人様で1つのメタバース空間を作ると、展示会や入社式など多目的に行える。イニシャルコストはかかるが、空間の保存費、施工費・撤収費が不要というのが新しい概念である。
  • 各種マネタイズ機能の提供:収益の方法は主に物販・投げ銭・有料チケットの利用である。広告会社やイベント会社で空間を一つ作り、それをクライアント様に貸し出すという使い方も増えている。 ちなみにイベントは最大10万人まで可能。

 

加えて数字の計測ができるという点にも注目したい。これは企画、制作、プラットフォームの活用、イベント運営まで一気通貫でできる体制やサービスを備えているから可能になる。参加者数、滞在時間、エリア内のヒートマップなど一つひとつ検証できるので、デジタルマーケティングやリアルへのフィードバックにも生かしていける。

 

取り組み事例

こうしたプラットフォームや機能を使った法人様との取り組み事例を紹介しよう。

・渋谷を再現:メタバース空間の中にヴァーチャル渋谷を作り、1つの空間をアップデートしながらイベントを実施。例)攻殻機動隊(Netflix)とのコラボ、渋谷区のハロウィンイベントなど。

・スマホゲームのプロモーション:「ディズニーのツイステッドワンダーランド」のVRハロウィーンイベント2021では、2Dのアニメやゲーム世界を3Dで再現。メタバース空間でコミュニティを作って体験を生み、SNSでのプロモーションやキャンペーンにも繋げていった。

・テーマパーク: ポケモンのVR遊園地を作り、リアルではできないイベントを実施。輪投げや射的、友達と乗り物に乗って遊ぶなど、3D世界で身体性を伴う体験を楽しんでもらった。

・VR野球観戦:横浜スタジアムのVR空間でDeNAの野球を観戦。アバターを操作して自由に歩き回ったり、ファンと一緒に応援や交流ができる。これまでTVで個人視聴していたものがデジタル空間の中でパブリックビューイングのような体験に切り替わった。

ほかにもヴァーチャル大阪や観光地の再現、官公庁からの案件、エンタメからスポーツ、展示会、パビリオン、教育、社内イベントまで、活用の範囲は非常に幅広い。

 

日本発だからこそグローバルで勝負できる

メタバース領域は大きく体験(コンテンツ)、空間(プラットフォーム)、デバイス(インターフェース)というレイヤーに分かれるが、中でもプラットフォームの発展が重要だ。clusterはUGC(ユーザー生成型コンテンツ)のプラットフォームとしては国内で圧倒的に先行している。同じUGCプラットフォームでは世界的人気の「ROBLOX」があるが、ユーザーの半数以上は小学生だ。対してclusterはVRからスマホまで遊べて年齢層が幅広い、というところで差別化を図っている。

メタバース空間は日本発だからこそグローバルで覇権を獲っていける。そのポテンシャルの1つが日本のゲーム・アニメIP +イベント機能だ。日本はゲーム・アニメIP文化が強いので、日本が誇るIPにグローバルなユーザーを巻き込んでいける。さらに日本のアバター文化+アバター表現力。VTuberも生んだ日本にはアバター文化が根付いており親和性が高い。そして日本のクリエイター+スマホクリエイト機能。日本のゲームクリエイターは世界トップレベルなのでクオリティにおいても総力という点においてもグローバルと戦っていけると思う。

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