第33回 クリエイティブ研究会
株式会社ウゴカス コピーライター 佐々木圭一氏
ケースワークを交え、会場全体に「伝え方」の技術を披露
2013年ビジネス書1位(紀伊国屋新宿本店調べ)のベストセラー、47万部を超える大ヒットとなった「伝え方が9割」。第33回クリエイティブ研究会は、この本の著者であるコピーライターの佐々木圭一氏をお迎えし、11月26日(火)、電通関西支社12階大ホールにて開催した。営業の現場やプレゼンにも役立つ伝え方の秘訣について講義。約130名の参加者は、課題実習のケースワークを体験し、その技術を実践的に学び、通常の講演会とは一味異なる熱気で、会場は大いに盛り上がった。(以下概要)
例)自分に興味を持っていない人をデートに誘う場合:「デートしてください」と「驚くほどおいしいパスタ屋へ行かない?」では同じ内容でも言い方で変わる。
例)レポートの期限を延期してくれるよう頼む場合:「クオリティを上げたいので粘ることができませんか?」という言い方で、延期してもらえる確率がアップ。さらにやる気があるというイメージを与えられる。
大切だとわかっているのに誰も技術として学べることを知らなかった「伝え方」。学校では教えてくれなかったが、その技術を手に入れると人生の重要なシーンで役立つ。
理系出身で、伝えることも苦手だった佐々木氏が広告代理店へ入社。たまたまコピーライターとして配属されたことがそもそもこの本を書くきっかけとなる。まともなコピーを書くことができずストレスで激太り。もがきながらも世の中にある名作のコトバをノートに書き写して研究した。そのうち「伝え方にはシンプルな技術がある」「感動的なコトバはつくることができる」ことを発見された。
「考えるな、感じろ」燃えよドラゴン
「死ぬことに意味を持つな、生きるんだ」3年B組金八先生
「私のことを嫌いになっても、AKBのことは嫌いにならないでください」前田敦子
「これは私の勝利ではない、あなたの勝利だ」オバマ大統領
名セリフは正反対のコトバが効果的に使用されている。心を動かす言葉にはレシピのように法則があり、その発見からトライ&エラーを繰り返し、誰でもコトバが作れる方法論を整理。料理のレシピのように手順を踏めばプロに近い味が出せるよう本にまとめられた。
コトバを作る時、大切なのは相手の文脈でつくること。どんなお願いでも次のような3つのステップを踏むことで「イエス」の可能性が高まる。
「イエス」に変える3つのステップ
1.自分の頭の中をそのままコトバにしない。
2.相手の頭の中を想像する。
3.相手のメリットと一致するお願いを作る。
相手の頭の中を想像する時には次のような切り口から考えてみる。相手に効くのは7つのうちのどれか?「イエス」を「ノー」に変える技術の答えは、相手の中にある。
「イエス」に変える7つの切り口
①相手の好きなこと
②嫌いなこと回避
③選択の自由
④認められたい欲
⑤あなた限定
⑥チームワーク化
⑦感謝
伝え方の技術はプレゼンや人生の勝負時などに役立つだけでなく、コミュニケーション力を身につけることで組織をも強くしていける。コトバ探しは宝物探しと同じ。伝え方で結果が変わってくる。今はいいものを作るだけでは売れない。市場はグローバル化しており、それがどのようにいいのかを伝えなければ売れない時代になっている。しかし伝え方は学べるし、不可能なこともコトバのチカラで突破していけることを伝えておきたい。
詳しくは「伝え方が9割」ダイヤモンド社をお読みください。
佐々木圭一
株式会社博報堂を経て、現在クリエイティブブティック「ウゴカス」を設立。連絡は以下。info@sasakikeiichi.com
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