大阪のアイデンティティを探す調査 第4弾

大阪のアイデンティティを探す調査 第4弾

大阪のオバチャン

 

当協会マーケティング小委員会(岩崎富士男委員長)は、大阪人の典型である「大阪のオバチャン」のイメージを明らかにすること、また「大阪のオバチャン度」指標を作成し、性・年令によるオバチャン傾向を探ることを目的にした調査を、2001年10~11月に実施した。

ダントツ上沼恵美子

「大阪のオバチャン」と聞いて思い浮かぶ人を尋ねたところ500人中、6割強にあたる323人が「上沼恵美子」を挙げ、圧倒的に多かった。以下、宮川花子(174人)、ミヤコ蝶々(94人)、京唄子(89人)、ハイヒールモモコ(80人)、と続きベスト5となる。大阪を中心に活躍しているお笑い系出身者が上位を占めている。
年齢別でみても、上沼恵美子がいずれの年代でもトップである。特に、若い年代ほど他を大きく引き離し、圧倒的に多くなっている。また、ベスト3をみると、40代以下ではハイヒールモモコが上がっているのに対し、50代以上ではミヤコ蝶々が入る。

なんでやのん あ~しんど はよしいや

大阪のオバチャンがよく使っている言葉は、「なんでやのん」が72%で最も高く、次いで「あ~しんど」(68%)、「はよしいやぁ」(60%)が続く。
年代別でみると、どの年代でもつっこみ常套句の「なんでやのん」と「あ~しんど」が高くなっている。加えて、30代以下では「ほんまぁ」、40代では「かまへんやん」、50代以上では「はよしいや」が高い。
その他では、「まけてぇ」、「あかんやん」、「はな」、「おはようさん」、「もうかったわぁ」、「ちゃっちゃっとしなさい」等があった。

「大阪のオバチャン」イメージ
大阪のオバチャンのイメージ(非常にそう思うとそう思うの計)をみると、「バーゲン品やセールで人だかりができていると商品を見に行く」が89%で最も高く、微差で「値切って安く買えたら、周りの人に自慢する」(86%)、「電車で少々狭いスペースでも空いていれば座る」(85%)、「声が大きい」(85%)と続き、がめつい あつかましい おしゃべりというイメージが上位を占める結果となっている。
性・年代別でみると、若年層ほど、がめつい あつかましい おしゃべり のイメージが強くなっている。特に女性で顕著。

私の「大阪のオバチャン度」
自分自身の普段の行動で当てはまること(非常にそう思うとそう思うの計)をみると、「動く歩道でも立ち止まらずに歩く」が、68%で最も高く、次いで「頂き物が沢山あると、身内や近所の人におすそ分けをする」(56%)「自分が買ったものが、10円でも安く売られていると悔しい」(50%)と続き、せっかちで、がめついところもあるけれど、どことなく人情味のある大阪人の姿が伺える。
性・年代別でみると、男女とも若年代層ほど「動く歩道でも立ち止まらずに歩く」「エレベーターは閉まるのを待たずに何度も「閉」を押す」「待つのは苦手」などせっかち気質の人が多い。特に、男性は顕著である。また「自分の買ったものが10円でも安く売られていると悔しい」「バーゲン品やセールで人だかりができていると商品を見に行く」といったがめつい気質も若い層、特に女性に多い。一方、高年代層ほど「頂き物が沢山あると、身内や近所の人におすそ分けをする」「困っている人がいると、ほっておけず手助けする」など人情味のある行動をとることが多い。

「大阪のオバチャン」指標
大阪のオバチャン指標を性・年代別でみると、男性では若年代層ほどオバチャン度が強い。一方、女性では若年代層ほど おしゃべり、高年代層ほど 人情 おせっかいの傾向が強くなっている。

「大阪のオバチャン度分布」
大阪のオバチャン度分布をみると、「中」が31%で最も多く、次いで「やや低」(29%)、「低」(21%)が続く。性・年代別でみると男性では若年代層、女性では高年代層ほどオバチャン度が高くなる。

田中外相は大阪のオバチャンか?

田中真紀子外務大臣の「大阪のオバチャン度」をみると、『大阪のオバチャンぽいと思う』計38%、『大阪のオバチャンぽくないと思う』計41%と意見が分かれる。大阪のオバチャンぽい理由の上位としては、「思ったことをズバズバ言う」「声が大きい」に対して、大阪のオバチャンぽくない理由としては、「大阪ぽくない・大阪弁でない」「品がある」といった理由が上位に挙がっている。

調査は大阪府下に在住する20代から69歳までの一般男女を対象に、ほぼ十年ごとの性・年代別構成比に合わせ、日本統計調査が保有するモニターから700人の標本を設定、アンケートを郵送で送付・回収する方法で行い、500人の有効回答を得た。男性49.9%、女性50.1%である。

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